「子どもたちが生きていく世界のために、目の前でできることから始めたかった」

ビーチクリーン・岩崎恭子さん(競泳)

少し前までは子育てで手一杯で、あまり社会変革について考えることはなかったですし、自分がやらなければいけないという責任感もなかった。マイバックを使ったり、ゴミを減らす努力をするくらいでした。

でも自分の娘が大きくなるにつれ、わたしたち大人が娘たちの世代に残す環境について、真剣に考えるようになりました。

そして、私一人や、私の家族だけじゃなくて、小さくてもいいから周りを巻き込んで一緒に動かしていきたいと思うようになりました。

また、そういう姿勢を娘や姪っ子たちにも見てもらって、何か感じてもらいたいと思ったんです。

まずは大人が背中を見せないといけない

自分に何ができるかを考えた時に、水泳界の先輩の小谷実可子さんが自分の家の近くで定期的に仲間を集めてビーチクリーンをしていらっしゃるので、まずは私も地元・沼津で仲間を集めて始めてみようと思いました。

自分のTwitterで人を募集したら、数十人の地元の人が集まってくれました。

なぜビーチクリーンをするのかを話し合ったり、海洋プラスチックや、海の生態系のこと、自分たちの生活から出るゴミのことも考えられるように、少し話しながら、でも他のこともお喋りして対話しながら、楽しくビーチクリーンをしています。

2050年には、海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えると言われていること。

海鳥の90%がプラスチックごみを摂取していること。

わたしたちが食べる魚からマイクロプラスチックが発見されたばかりでなく、ついに人体からも発見されたこと。

日本からもプラスチックごみは何トンも発生しているし、海はつながっていること。

そんなことを一緒に学びながら、一緒に地球のことを考える時間はとても清々しいです。

そして一つ思ったことは、大人がやらないと、子どもも真剣に取り組まないんだな、と。

子どもに教える前に、まずは大人が背中を見せないといけないと強く感じました。

今はできることから、ということでビーチクリーンから始めましたが、学び続けながら、自分ができる活動を増やしていきたいと思います。