「スポーツxエシカル」
海の日に、「エシカル」の勉強会。
今回の参加者はいつもと少し違い、一般の方が多かったのです。エシカル協会代表の末吉里花さんやスキージャンパー髙梨沙羅さん、プロサーファー武知実波さんのネットワークで、普段はできていない方々にリーチできました。感謝!
いつものトップアスリートや競技団体関係者などの、バリバリの競技現場の方だけでなく、違う形でスポーツに取り組んでいる方、学生アスリート、エシカルの活動をしている人、スポーツファンの人などなど、さまざまな角度から考えてくださるのも、広い範囲でスポーツ界を動かしていくことに繋がると思うので、とても楽しみにしていました。
まず、冒頭で末吉さんに「エシカルとは?」の講義をしてもらいました。
実は末吉さんは、私の大学の同級生。
卒業してから20数年ぶりにこうして同じ志のもとに活動ができることがとてもとても嬉しいし、何よりの彼女のエシカルの活動が素晴らしくて、いつもインスピレーションをもらっているのです。
初っ端から、彼女の元フリーアナウンサーならではの滑舌の良さ、声の聞き取りやすさに、事務局一同心を奪われました。
話が水のように滑らかに頭に入ってくる!
そしてお話しいただいた内容も、エシカル初心者にもわかりやすくて、とても好評でした。
「エシカルとは、人・社会・地球環境・地域に配慮した考え方や行動」
気候変動、児童労働などのお話を具体的に挙げながら、エシカル消費とは?を説明してくださいました。
そして、「一消費者として、個人として声をあげながら、企業や社会を変えていくことが今、最も多く求められる」
彼女のこの言葉は、私自身も最も大切にしたい言葉。
気候変動待ったなしの今、個人の活動だけでは無理があります。
より効果的に、実質的に変革を起こしていくために、組織を、社会を変えていかなければならない。
そういった活動に繋がるように、アスリート個人の気づきから、競技団体、スポーツ行政の活動にしていかなければならない。
そういう思いを込めて、今回のウェビナーを作りたかったのです。
私もとても勇気をもらいました。
そして、やはり何よりもパネリストの髙梨沙羅さん、武知実波さんの言葉たち。
一つ一つの言葉がグサグサ刺さる。
髙梨さんは、一つ一つ、自分の言葉を紡いでいる感じで、想いが篭っているので、トップアスリートがこんな考えをして競技をしているのか!と何度聞いても感動します。
「私たちが今、不自由なく生活している背景には、必ずその裏側にどのような現状があるのかを知ることが大事だと思った」
「やらされるのではなく、その背景を知って自分が大切だと思ってやることが大切だと思う」
そして髙梨さんが世界中を転戦している中で気になっている、ゴミを減らすアイディアもシェアしてくれました。
どうにかして形になって欲しいなあ。
武知実波さんは、パタゴニアのサーフィン・アンバサダーとして知識も豊富なので、具体例がとても参考になります。
海水の温度が上がっていること。
台風の進路が変わっていること。
その環境の中で競技をしながら、パタゴニアの、87%がリサイクルの、環境負荷を軽減した素材、さらにフェアトレード認証もされているウェットスーツをプロモートしたりと、ウェア選びの重要性もお話ししてくださいました。
ウェアや用具は、アスリートたちが毎日身につけ、使うもの。
ここからエシカルを取り入れることは最も手っ取り早い。
広告塔としても、リサイクル素材のウェアや用具を宣伝するアスリートがもっと増えたら良いなと思っています。
このお二人にお願いしてよかった。
本当にそう思いながら聞き入っていました。
今回のウェビナーでよかったのは、すぐにでも取り組めそうな具体例がたくさん出てきたこと。
髙梨さんの「こうなったらいいのに」は、実際に解決できそうなことばかり。
こういうアイディア・リストを作って、一つ一つ、関係者と一緒に解決策を考えていきたい。
最後の参加者からのQ&Aでは、「競技力とエシカルの追求をどうすれば良いか」や、「スポーツ気候変動枠組み」(私の大好きな分野!笑)の専門的な質問も出て、ウェビナーに厚みが加わりました。
事後アンケートも、ここでは書ききれないくらい、たくさんの感謝とアイデアで溢れかえっていました。
もっと多くのアスリートやスポーツ関係者に聞いてもらいたい。
一緒に活動するアスリートが増えれば良いなと思います。
ご参加いただいた皆さま、末吉さん、武知さん、髙梨さん、本当にありがとうございました。
ここからがスタート!にしていきたいです。
文責 井本直歩子(SDGs in Sports代表)