学生レポート 講義#03

Jリーグの気候アクション

  • 講義ポイント/サマリー

 気候変動による影響は先住民族のような少数派の人々に大きく影響を及ぼしている。例えば、バンクーバー島だ。伐採が多く行われており、皆伐状態になっている。伐採された木材は日本にも輸出されている。皆伐状態になってしまったため、川が激流になってしまい、鮭を取って生活している先住民族が鮭をとれなくなってしまい影響を受けている。これはコストの外部化によるものだ。このコストの外部化を解決するためにパタゴニアは気候変動に対してのアクションを行っている。

Jリーグも気候変動アクションを行っている。Jリーグはリーグを立ち上げたときから地域密着を掲げている。そのため、地域の活気は生命線だ。地域の活気のために地域での活動や地域の方が観戦に来るホームゲームは必要不可欠になる。Jリーグにも気候変動の影響が出ている。集中豪雨によってホームゲームを行うことができない場合が増えている。2018年以降のホームゲームの中止数は2017年までの平均数の5倍になっている。また、昨年からリーグのシーズン移行があったように、気温上昇による夏場のパフォーマンスが低下している。選手の死亡事故も起きている。スポーツの試合の運営は影響を受ける側でもあり、影響を与える側にもなってしまう。そのため、自らクリーンな運営を行っていくことが大切になる。クリーンな運営は実行されている。2023年シーズンでは1220試合を再生可能エネルギーで運営した。海外のサッカークラブでは、サッカーファミリーの影響力を活かそうとする取り組みを行っている。例えばリバプールではRED WAYと言って活動の詳細をホームページに掲載し、誰でも活動についてみることができるようにしている。詳しく開示することでパートナーの会社もどのような活動を支援しているのかサステナビリティについてのストーリーを伝えやすくなっている。国内のチームでも意識と行動を変えるための活動が行われている。

  • 同世代に伝えたいこと

 気候変動によって影響を大きく受けるのは私たちではなく、先住民族のような少数派の人々だ。しかし、その影響を大きくさせているのは私たちのように影響を与えている側だと自覚していない人々によるものだ。先住民族の人々は大きく生活に影響を受けているが、私たちにも影響は及んでいる。例えばスポーツの場面である。サッカーのような屋外競技は気候変動によって影響を受けやすい。Jリーグは気候変動の問題に向き合うために独自に目標を立てて対策を行っている。Jリーグよりも進んでいるのが海外のクラブである。ホームページに活動の詳細を掲示し、オープンな状態で活動を知ってもらおうとしている。仕組みを変えていくためには意識と行動を変えていく必要がある。意識と行動を変えていくにはより近くにSDGs問題を感じ、SDGsを重いものとして受け止めるのではなく、自分たちが楽しむときのために行うものだと意識をかえていく必要がある。

  • 感想

 Jリーグは地域に密着していることは知っていた。しかし、それがどう気候変動対策につながっているのか分からなかった。今回講義を受けて、地域の方々に応援していただくために大切なホームゲームを行えていない現状があることに驚いた。しかし逆に気候変動による影響で必要なホームゲームができないということで、応援してくれているファンの方に、気候変動は自分たちの生活に影響があるということを実感できる機会になると思った。Jリーグを好きな方々にサッカーを通した気候変動の現状を知ってもらうことで、気候変動に対してクラブが行っているプロジェクトもより関心をもって参加してもらえるのではないかと思った。SDGsはしなくてはいけないことだとは思っていたが、実際大学に入って触れるようになるまではあまり重要視していなかった。それは自分の生活には直接的に大きく影響していなかったからだ。しかし、自分の楽しみが減ってしまうかもしれないと考えれば、より現状を知ろうとするし、選手も参加していることなら自分にも置き換えて考えるようになるのではないかなと思った。

  • 学生レポーター:安西雪乃/東海大学